“ZOOEY”は「サークル」以来の名盤
Rick Kurihara

 「ずっとMotoを聴いてきた者が求めていたのはこういうRockだ」と感じるRock'n Roll Album。Motoを知らない友人にも薦めたい傑作盤。Moto自身のライナー・ノーツをベースにAlbumをレビュー致します。

■世界は慈悲を待っている
Moto曰く『モータウン・リスペクトの楽曲』。カッコいいギターのリフ、ストリングス調のハモンド・オルガン、モータウン・リスペクトのベース・ライン。重厚なアレンジがシンプルな2コードを感じさせない秀逸な演奏で、Albumの1曲目を飾る。Grace グレイスという優美なソウルを謳う。

■虹をつかむ人
「Someday」「月夜を往け」に次ぐ、フィル・スペクター リスペクトの楽曲。時間をかけて書いたと言うリリック、シンプルなリフレインのメロディ、深く心に浸み入る。Johnの”Starting Over”にも聴こえるし、竹内まりや「人生の扉」にも聴こえる。“Rainbow in My Soul”に次ぐ、名曲の誕生。

■ラ・ヴィータ・エ・ベラ
『3.11以後、初めて書いた曲』との事。「希望に満ちた夜明け」をイメージしたイントロ、ギターとキーボードのリフレインとが印象的に楽曲を彩る。Moto曰く『愛しい事に理由はない、人の命は続いていく。でも、人生は美しいと感じる頃には身も心も擦り傷だらけです。』この希望と愛をテーマにしたリリックとPopなメロディの裏にあるそれがこの楽曲の本当のテーマ。

■愛のためにできたこと
愛の矛盾がテーマの優しい楽曲。この「優しい」背景には、3.11があるとの事。

■ポーラスタア
ギターBandのCoyote Bandを象徴するようなエッジの効いたアレンジ。途中からアルペジオにかわるギター、絡んでくるキーボード、転がるようなベース・ライン、控えめながら美しいコーラス。今のMotoらしい、攻撃的な楽曲。

■君と往く道
Moto曰く『「愛される事」に慣れている人にはピンとこない』。身近な愛がテーマの楽曲。

■ビートニクス
「ほとんど即興で創った」というBand曲。ツイン・ギターのリフがとてもかっちょいい。

■君と一緒でなけりゃ
『ハートランド時代に書いた曲、当時は歌詞が重すぎてOuttakeにしたが、一部歌詞とアレンジを施し、再録音した』との事。アルバム中、最もJazz,R&D系の曲で、Rock’n Roll Albumに彩りを与える。黒っぽいベース・ラインと普遍的な愛のリリックがいい。

■詩人の恋
Moto曰く『些細な日常は劇的な変革の連続』『セッションを終えたあと、何かから解放された想いだった』。“Rock’n Roll Night” “Heart Beat”のような重厚なバラッド。

■ビートニクス
「ほとんど即興で創った」というBand曲。ツイン・ギターのリフがとてもかっちょいい。

■スーパー・ナチュラル・ウーマン
TheBeatlesへのリスペクト、Moto流Power Pop。 『ちょっと情けない詩にセンチメンタルなメロディを照れ隠しするかのようにハードなギターで誤摩化す。やけくそになって情熱たっぷりに唄う最高の女性讃歌』グラム・ロックっぽいPopなアレンジと、Johnの“Oh! Yoko”の様なリリック。これまでに無い「Motoの弾けっぷり」が痛快な佳作。

■食事とベッド
愛溢れるリリックと80’sのようなPopなアレンジが楽しい。

■ZOOEY
TheBeatles “Revolution”を彷彿させるBand曲で、Rock’n Roll Albumを締めくくる。



素晴らしいAlbumをありがとう。Moto。
これからも、ずっと、あなたは我々のRock'nRoll Heroです。