ボクの永遠のロックンロール・アイドル 
															工藤瑞雄(TEXT by Chandler "MIZZ" Bang) 
															 
															Coyote(コヨーテ)… 
															ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ属 
															北アメリカ大陸に広く分布 
															オオカミに近縁 
															オオカミより小型 
															低リスクながら絶滅が危惧されている 
															メキシコのスペイン語を通じてナワトル語(アステカ語)で『歌う犬』
														 新作『Coyote』がハートランドから届いた。スピーカーから発する第一音に背筋がゾクゾクと身震いした。そう、初めて『アンジェリーナ』に触れた頃の衝撃みたいに。ズシズシと空気を切り刻むギターやベースやドラムのビート。そう、『BACK TO THE STREET』に針を落としたあの頃を思い出す。約1時間、ボクは10代の少年にタイムトラベルしたみたいな不思議な時間を過ごした。ドキドキワクワクが気持ち良く、ココロは高揚しっぱなしだ。 
														 今作は若いミュージシャンと創り上げたレコードだ。全体の印象は「太い」、「骨太」。シンプルなサウンドながら音自体は実にブットい。そして身体がいつのまにかリズムを刻んでしまう。小気味良いテンポにのせてシブく枯れた歌声が奏でる「歌う犬」の12編の物語。 
														 矛盾する表現だけど今作でのMOTOはチョイ悪に枯れた声なのに躍動する青臭さを感じる。若いミュージシャンとのコラボ、バラエティ番組のレギュラー、今のMOTOにプラスの刺激になっているのだろうか。実に楽しそうに「ヤンチャ」なおぢさんしてるのだ。まるでデビュー当時のように。 
														 常に日本の音楽シーンにおいてリードオフマンであり続けている稀代のロックンローラー「佐野元春」。早くも次回作が楽しみだ。 
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