「RadiofishをiPodで楽しむ! - FMリスニング環境新時代」






iTunes【アイチューンズ】
Appleが開発したデジタルジュークボックスソフト。
CDの音楽をデータ化することはじめ、音楽データの管
理、再生、iPodへの転送などを一手に引 き受けてくれ
る。最近、Windows版も登場し、Mac版ともども無償
で配布されている。

■iTunes画面
Mac版画面[拡大]    




リッピング 【Ripping】
音楽CDに記録されているデジタル形式の音声データを
抽出し、パソコンで処理できるようなファイル形式に
変換して保存すること。




iPod【アイポッド】
これもAppleが開発したデジタルミュージックプレーヤ。
中には小さなサイズのハードディスクが入っていて、
一度に収録できる曲数はなんと最大 10,000曲。
1) 音源をコンピュータで管理する

Howe Gelb ─ The Beat Goes On/GIANT SAND の軽快なピアノに乗って「土曜の夜八時、こんばんわ」という出だしで始まるRadiofishを、僕は月曜日の朝に聴いている。iPodに入れて、路上で、電車の中で。かつては「元春レイディオショウ」をカセットテープに録音していた。60分テープだとAB面の切り替えで録音が途切れてしまうから、当時でも珍しかった100分テープを大量に買い込んで、それに録音していた。今でもあの頃のテープが残っているが、何本かは音が劣化してしまっているかもしれない。
 あれから10数年。時代は変わって、テープはMDへ。音質は向上し、AB面という概念もない。たぶん音の劣化も皆無だろう。ラジオのエアチェックには最適なメディアだ。
 でも、僕はMDへの録音を途中で止めてしまった。
その代わりに今はハードディスクにRadiofishを貯め込んでいる。


 Radiofishが始まった2002年。僕の周りのオーディオ環境は、それ以前のものとはだいぶ形を変えていた。部屋の片隅にあるCDコンポ(もう15年選手だ)は、もうあまり電源が入ることはない。

CDを買ってきたらまずMacintoshのCDトレイにセットする。するとMacは、自動的にiTunesという音楽ソフトを起ち上げて、いつでも再生できる状態にスタンバってくれる。こいつの気が利いているところは、セットしたCDが何なのかをインターネットで調べ、アルバムタイトル、アーティスト名、曲名などを表示してくれるところだ。

iTunesにはCDの曲データをMacのハードディスクに落としてくれる機能がある(いわゆるRipping)。これをやっておくと、後でフっとある曲を聴きたくなったときに、イチイチどのアルバムに入っているかを調べて、そのCDをラックから引っ張り出してくるなんてことはいらなくなる。iTunesの検索窓に曲名の一部分を入力するだけで、該当する曲をハードディスクから検索して、すぐに一覧表示してくれるからだ。例えば、眠れない明け方に「自由」についての歌を聴きたくなったとき、「Free」と一言入れれば、曲名にFreeを使っている歌が一覧で表示され、再生できる。
 このおかげで、中には10年以上聴くことのなかったものもある300枚強のCDが一気に蘇った。これは僕の中で、本当に革命的な出来事だった。

オーディオ環境のささやかな革命は、やがて部屋から街へと飛び出すことになる。iPodの登場だ。iTunesに貯め込んだ数千曲という音楽を、ポケットの中に入れてどこででも楽しめるようになった。朝起きて、今日の気分にあったアルバム3枚、何にしよう…と、歯を磨きながらあれこれ考える時間がなくなったのは、ちょっと残念だけど、1000曲のランダムプレイは、まるで自分好みの曲だけを流してくれるラジオ局のようだ。iPodの登場で、音楽の聞き方がまた変化した。

このおかげで、音楽をハードディスクに貯めるという行為は、僕の中では日常のことになった。そうなると、Radiofishだってハードディスクに残したくなる。うまくバックアップしていけば半永久的に保管することができるし、テープやMDのように、物理的な場所を占有することもない。理論上の計算でいえば、小さなiPodの中にRadiofishが実に850回分(16年分!)収めることができるのだから。



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