MAY 1997 Vol.3/NO.3
SPECIAL: THE FUTURE TRIP
特集:その先の世界へ
ただ漫然とした「観光」を脱し、ある「目的」に衝き動かされて赴いた「異境」への窓口-
インド、アフリカ、中国-実体験主義的な新しい「旅」のパースペクティブに降り立つ。
Letter From The heartland
文◎佐野元春
Fly Me To The Moon
INDIA, october1995
文◎藤井康広 写真◎澤野泰利
1995年10月24日早朝、噂だけを頼りにインドの小さな廃虚のむらに集まったトラベラーたちは
皆既日食のその瞬間、大地とともに歓喜のダンス・ステップにうち震えた-
Never Serious Days
Mauritania,november 1996
文◎花田志織 写真◎茅原田哲郎
キャラバンはオアシスからオアシスへ旅し、そこに神話を残して去っていく-
私は自分のドラマを見るためにサハラにきた。どこかに私のオアシスがある。そう思いながら走り続けた。
Miniture Garden Where I'm Living
China, the land of desire
文、写真◎小池英文
淡くくすんだ景色の中に、停泊中の艦船に掲揚された中国国旗の紅が、ヤケに眩くはためいているのが見える。
大小さまざまな船が打ち鳴らす、極めて無秩序な汽笛の音。それは歓迎なのか、それとも拒絶だろうか-
Faces On The 46000km Trail In Eurasia
文、写真◎Claude Marthaler
ロシアで、インドで、チベットで、土地の人々と一緒に写した記念写真-
スイスから日本までの46000キロメートル、自転車男と並んでカメラを見ている「顔」の数々。
Column
「異境」へと私をそそのかしたもの
文◎山下柚実
闇の中へ自分を投げ込めば、きっと何かが起こる。列を乱せばきっと私自身が、私の「出口」になる。
別の自分が見えるまで-焦燥にも似た思いが、私を「異境」へ誘おうとしたのだろうか。
Photographic Story - Rodriguez
写真◎大沼茂一
前夜に刻まれた身体の傷をふさごうともせず、ふたたび夜の空気に傷口を疼かせながら街を漂う-
ジム・ゴールドバーグの「痛み」を喚起させるような、東京の少年たちから投げられた捨て台詞。